●参考資料
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韓国国防部、「国防白書」1988〜1999間の各年度(一般販売及び公開) |
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韓国北韓研究所、「北韓軍事論」1978(主要公共図書館で閲覧可能) |
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韓国内外通信、内外通信の各種資料(ハイテル、チョンリアンで入手可能、現在は連合通信との合併で閉鎖) |
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韓国北韓研究所、「月間北韓」及び各種資料(一般販売) |
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金ジョンスン、「朝鮮人民軍」(北韓秘史45年シリーズ中)(一般販売) |
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米議会調査局、「国家研究北朝鮮編93年版」(一般販売及び公開) |
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米国防情報庁(DIA)、北朝鮮軍事力報告書91年版、95年版(インターネットに公開、www.fas.org) |
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英国IISS、Military Balance各年度(一般販売) |
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各日刊紙及び定期刊行物に公開された北朝鮮帰順者の証言 |
●本文中に引用された出所に対する解説
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MB − Military Balance 70〜98各年度一部(一般人購入可能) |
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AW − Aviation Week Aero Source Book 96(一般人購入可能) |
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武器移転統計資料 − 一次的に新中国軍事論の付録に出てくる中国の対北朝鮮武器移転図表を意味し、その外、インターネット及び各種定期刊行物で入手可能な各種資料を包括的に指称、特にインターネットで入手可能な武器移転統計資料に対しては、「軍事専門家のためのインターネット参照」 |
◆1-1.戦闘機
@MiG-17(J-5)107〜150機
MBでは、機種の区別なくMiG-17(J-5)107機と計算しており、AWでは、F-4(中国生産型MiG-17、F-5?、B-4?)150機と計算している。DIA資料(95年)では、120機と計算している。武器移転統計資料によれば、ソ連から56〜58年に渡り推定値100余機のMiG-17を移転したものと出ており、中国からも58〜60年に渡り300機のMiG-17を北朝鮮に輸出したものと出ている。中国が初めてJ-5を生産したのが56年であるkとから、この当時、北朝鮮に引き渡されたものは、中国自主生産型と推定される。Jコードは、中国空軍で殲撃機(戦闘機)を意味する。Fコードの場合、中国が輸出型に自ら付けた場合もあり、米国が付けた場合もあって、非常に混乱させられる状態である。MiG-17(J-5)の総保有量は、71〜72年頃の380機を頂点として、75年頃の300機水準に減少し、80年代後半には、280余機水準に減少している。現在残ったMiG-17
100余機の場合、大部分中国生産型J-5と推定される。AWでは、対地攻撃用(FGA)に分類している。
AMiG-19(J-6)100〜159機
MBでは、機種の区別なくMiG-19(J-6)159機と計算しており、AWでは、F-6(中国生産型MiG-19、又はF-5?)100機と計算している。米議会資料(93年)では、要撃任務に60(+)機、対地攻撃任務に投入されるMiG-19がQ-5を含めて、100(+)機水準だという。ソ連から北朝鮮に直接輸出したMiG-19は、武器移転統計資料には出ていない。従って、北朝鮮のMiG-19の大部分は、中国産J-6と推定される。中国の場合、59〜60年に20機、82年に20機、88〜89年に数量未詳を移転したものと出ている。中国がMiG-19を模倣生産したのが64年1月であることから、59〜60年に移転された機数は、中国がソ連から譲渡されたソ連原型を再び北朝鮮に譲渡したものと推定される。70年代のMB資料を見てみれば、70年に20機水準で、75年に40機、78年110機、83年200機と頂点に到達している。70年代には、MiG-19がMiG-21よりも保有数量が少ないものと出ているが、これもまた、北朝鮮のMiG-19が主として中国製J-6であることを見せている1つの傍証である。AWでは、対地攻撃(FGA)及び要撃(Int)任務に使用されるものと分類している。
BMiG-21 130〜160機
MBでは、機種の区別なくMiG-21(J-7)130機と計算しており、AWでは、MiG-21PF/PFMA型を主軸に、少数のJ-7を含めて150機と計算している。米議会資料(93年)及びDIA資料(95年)では、160機と見積もっている。武器移転統計資料を見れば、MiG-21は、主としてソ連で生産された原型が供給されたものと出ている。この資料によれば、数量確認113機(101機+2個中隊)、推定値+107機である。この資料によれば、ソ連から北朝鮮に移転されたMiG-21の総数量は、220機とされる。現在の保有数値130余機と比較してみれば、概ね半数程度が淘汰された状態であることが分かる。MB資料を見てみれば、70年に90機、75年に150機と増加するが、78年頃120機に減少しており、83年に160機に再び増加したものと出ている。一方、武器移転統計資料によれば、北朝鮮は、75年に2個中隊分、80〜83年の間に80機、89年に50機をソ連から導入したものと推定している。従って、現在運用中であるMiG-21
130機の大部分は、80年代に導入された機種と推定される。AWでは、要撃(Int)任務に使用されるものと分類している。
CMiG-23 45〜60機
MiG-23は、1985年ソ連に対して領空通過権及び北朝鮮軍用飛行場利用権を許容した代価として入手したものである。MBでは、85年から30機を推計している。現在のMBでは46機、米議会資料(93年)では46機、DIA資料(95年)では45機、AWでは60機と計算しているが、総導入数量が60余機水準であるようである。武器移転統計資料でも、85〜89年に渡り60機を導入したものと推定している。
DMiG-29 30〜45機
武器移転統計資料では、88〜89年の間に15機が初めて導入されたものと推定している。現在の保有数量に対して、MBでは、30機と推算しているが、一部では、40余機以上と推定してもいる。一部機種は、直導入したもので、北朝鮮で部品導入後組立生産した機種もある。MiG-29の導入可否事態に対しても異説があるが、90年代中盤、ロシア駐在韓国武官が北朝鮮武官から直接確認したことがある。少し前まで、国防部は、MiG-29の機数を14機(1機は墜落)水準と見積もっていたが、最近再び40余機水準に増加した徴候を捕捉したようである(95年12月
内外通信資料)
◆1-2.対地攻撃機/爆撃機
@Q-5 40機
Q-5は、中国でMiG-19を改造した対地攻撃専用機である。Qは、中国で強撃機(対地攻撃機)を意味する。Q-5は、中国で69年に実用化し、70年代前半から実戦配置した機種である。米国では、A-5と呼ぶこともある。MBでは、MiG-19(J-6)と区別して推計していないが、AWでは、40機と計算している。MBとAWの数値を比較してみれば、MBのMiG-19(J-6)159機は、40余機のQ-5を含んだ数値であるようである。
ASu-7 18〜30機
Su-7は、ソ連の対地攻撃機である。MBでは、72年から28機を推計しており、77年から20機に減少したものと推定している。現在のAWでは、30機と計算しており、米議会資料では、20機と計算している。これを見れば、導入総数は、30機水準であるようであり、淘汰数量は、推定値に差異があるようである。北朝鮮が導入したものがソ連原型Su-7なのか、輸出型Su-7BM型なのかは確実でないが、Su-7BM型という日本資料がある。一部資料では、Su-17も言及されるが、保有の可否は疑わしい。
BSu-25 20〜35機
Su-25は、ソ連の対地攻撃専用機である。MiG-29と同じ時期に導入した機種として、武器移転統計資料上には、88〜89年の間に12機が初めて導入されたものと出ている。MBでは35機、AWでは20機、米議会資料では20機水準と計算しているが、正確な保有数量は未詳である。
CIl-28(H-5)82〜85機
武器移転統計資料を見れば、北朝鮮は、53年に5機、54年に30機をソ連から導入し、58〜59年に中国から44機を導入した。中国がIl-28爆撃機の中国生産型であるH-5を生産したのは67年頃であることから、北朝鮮のIl-28は、大部分ソ連原型Il-28と推定される。MB資料では、70年に70機、80年に85機と計算している。米議会資料では、82機と計算している。70年代以降増加した数値は、中国製H-5であるものと見られる。中国空軍においてHコードは、轟炸機(爆撃機)を意味する。Il-28の一部は、MiG-17と共に偵察機型に改造されて運用されているという。
◆2-0.ヘリ
@Mi-2 ?〜139機
MBでは139機と計算しているが、別の資料では、この程度の数値が確認されていない。北朝鮮が革新-2直昇機という名前で自主生産していることから、最近の増加した数値は、自主生産量の反映であるようである。
AMi-4(Z-5)20〜51機
AWでは確認されていないが、武器移転統計資料では、66年にソ連から20機を導入したことが確認されており、韓国側の判断としては、最大51機と推算している。Z-5はMi-4の中国生産型だが、MBでは、北朝鮮がZ-5
48機を保有したものと推計している。これを見れば、北朝鮮のMi-4は、ソ連原型が少数(20機未満)で、大多数は中国生産型のZ-5と見られる。
BMi-8 15〜24機?
MBでは、Mi-8/17を含めて15機と計算しているが、AWでは、Mi-8のみ20機と計算している。武器移転統計資料では、86年に24機を導入したものと推定している。韓国側の判断としては、13機という資料がある。
CMi-14 5〜8機?
MBでは確認されていないが、武器移転統計資料では、86年にMi-14 Haze
8機を対潜戦用に購入したものと推定している。日本資料でも、5機を対潜戦用に保有するものと評価している。
DMi-17 15〜24機?
MBでは、Mi-8/17を含めて15機と計算しているが、AWでは、Mi-17のみ20機と計算している。武器移転統計資料では、86年に24機を導入したものと推定している。
EMi-24 45〜50機?
MBでは確認されていないが、武器移転統計資料では、85〜87年の間に45機を導入したものと推定している。日本資料では、50機と推計している。
FMI-26 4機?
内外通信資料(96年2月)によれば、95年に北朝鮮がMi-26 Halo 4機を導入したという。94年2月号に特集記事。
GHughes 300/Hughes 500D 80〜90機
北朝鮮が西ドイツから密輸した機種として、AWでは、ヒューズ300/500機種を合わせて80機と計算しており、一部資料では、500D 20機、500E
70機と計算している。一方、MBでは、ヒューズ500 80機と推算する。一方、韓国側資料では、500D/E 86機と推算している。あるいは、ヒューズ300
10機、ヒューズ500 70機と計算する資料もある。
◆3-1.輸送機
@An-2(Y-5)282機
AAn-24 6機
BIl-18 2機
CIl-62M 4機
DTu-134 2機
ETu-154 4機
◆3-2.訓練機
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CJ-5、CJ-6、Yak-18、MiG-15UTI(FT-2)、MiG-21U |
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CJ-5、CJ-6 |
MBでは、CJ-5 10機、CJ-6
7機と分類しており、AWでは、100機と計算している。各々MiG-17及びMiG-19の中国生産型訓練機種である。
◆4-1.航空機搭載ミサイル/爆弾
@AA-2 Atoll(K-13?)
武器移転資料によれば、68〜71年に渡りソ連から390発を導入し、MiG-21に装着したものと推定されている。76年にも数量未詳のAA-2を導入した。
AAA-7 Apex
武器移転資料によれば、85〜87年にMiG-23に装着する目的で300発のAA-7
Apexを導入したものと推定され、88〜89年にMiG-29に装着する目的でAA-7 120発を導入したものと推定される。
BAA-8 Aphid
武器移転資料によれば、88〜89年にMiG-29とSu-25に装着する目的で360発を導入したものと推定している。MB資料では、AA-8を北朝鮮が保有しているという言及が出ていない。
CAA-10 Alamo R-27R
DIA資料(95年)において北朝鮮のMiG-29がAA-10を装着している可能性を言及しているが、保有の可否は確実ではない。MB資料でも保有武器項目に出ていない。
D地対空ミサイル?
96年に帰順した李철수の証言によれば、北朝鮮空軍は、96年5月14日と5月16日の2次に渡り平南温泉郡ソクタリ射撃場においてロシア製ミサイルを改良して開発した新型地対空ミサイルを試験発射し、このミサイルは、電波妨害を受けずに目標物を攻撃できるように設計された最新型だという。
◆4-2.防空兵器
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国防白書98〜99 13,800余門の高射砲 |
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MB 97〜98 4,800門+砲台に固定された高射砲3,000門 |
@高射砲
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M-1939 37mm |
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S-60 57mm |
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Type-59 57mm S-60の中国コピー型 |
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KS-12(M-1939) 85mm |
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KS-19 100mm |
A小口径対空砲
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ZPU-1/2 |
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ZPU-4 M-1973 装甲車に搭載し、自走対空砲としても運用 |
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M-1983 |
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ZU-23 M-1973 装甲車に搭載し、自走対空砲としても運用 |
B自走対空砲23mm ZSU-23-4 48両
武器移転資料を見てみれば、85〜86年の間に48両が導入されたという。57mm
ZSU-57-2自走対空砲の運用可否は明らかでないが、一部資料では、北朝鮮が保有していると言及している。
C携帯用対空ミサイル(火星砲)SA-7/GRAIL、SA-16/GIMLET 1万5千発
SA-7が初めて導入されたのは、72〜73年で、この頃200発がソ連から直導入された。86〜89年に渡り400発程度がライセンス生産され、それ以後、継続生産を継続し、最小限1万発以上を保有している。現在、SA-7/16全体としては、1万5千発以上を保有しているという。一部資料では、北朝鮮でライセンス生産したものがソ連製SA-7原型ではなく、中共製コピー型のHN-5Aだという。
D地対空ミサイル
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計50個地対空ミサイル・サイト |
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SA-2/GUIDELINE発射機? 300 |
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SA-3/GOA発射機? 36 |
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SA-5/GAMMON発射機? 24(2個連隊分量) |
MBでは、単純に数値のみ言及されているが、別の参照資料を見れば、これは発射機の数字のようである。例を取ってSA-5の場合、武器移転資料で見てみれば、87〜89年の間にミサイル351発、発射機24個が北朝鮮に導入されたものと推定している。SA-2の場合、ミサイルの数字と発射機の数字が同一である可能性もある。
最終更新日:2003/05/22